こんにちは。八王子市の行政書士 野嶌孝文(のじまたかふみ)です。
今日は夫婦の財産(夫婦財産制)について勉強します。
Ⅰ 夫婦財産契約と法定財産制
夫婦の財産関係については、契約によるもの(夫婦財産契約)と法律によるもの(法定財産制)があり、夫婦財産契約がなされなかったときに、法定財産制が適用されることになります。
Ⅱ 夫婦財産契約
夫婦は、婚姻の届出前に、婚姻中の夫婦の財産関係についての契約を締結することができます。この契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記(夫婦財産契約の登記)をしなければ、これを夫婦以外の人に主張することができません。
Ⅲ 法定財産制
1 婚姻費用の分担
夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生じる費用を分担します。婚姻から生じる費用とは、夫婦を中心とする家族共同生活に必要な衣食住費や医療費などの生計費、未成熟子の養育費などであって、夫婦の収入・資産・社会的地位などに相応した程度のものです。
裁判所の示した例では、婚姻関係が破綻し別居状態に入っているとしても、婚姻が継続している限り、原則として婚姻費用を分担しなければならないとしています。
2 日常家事の連帯債務
(1)原則
民法では、夫婦の一方が「日常の家事」に関して第三者と法律行為をしたときは、他の一方は、これによって生じた債務について、連帯して責任を負う、としています。たとえば、妻が食料品を購入した場合には、夫もその購入代金の支払債務を負うことになります。「日常家事」とは、夫婦の共同生活に必要な一切の事項であり、たとえば、食料、衣料などの生活必需品の購入、子の教育、医療費の支払いなどの事務です。
(2)例外
民法は上記(1)の例外として、第三者に対して責任を任じない旨を「予告」した場合には、連帯債務を負わない、としています。第三者とは、夫婦の一方と日常家事に関する法律行為をする特定の第三者(行きつけのクリーニング屋さん等)であり、不特定の第三者に対して公告や掲示によって予告をしても効力はありません。
3 夫婦別産制
(1)夫婦別産制
夫婦の一方が婚姻前から持っていた財産(預貯金等)や婚姻中「自己の名で得た財産」は、その個人の財産(特有財産)となります。「自己の名で得た財産」とは、相続したり、贈与を受けたりした財産や、自分で金銭等を払って購入した財産、自分の財産からの収益など、自分が取得した財産のことです。したがって、たとえば、登記上は夫一人の名義になっている不動産でも、妻もその購入のための金銭等を支出している場合には、夫の個人の財産とはなりません。
(2)共有の推定
民法では、夫婦のどちらの財産か明らかでない場合は、一応は二人の物として扱うこと(共有の推定といいます)としています。
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