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2016.3.7相続分について

こんにちは。八王子市の行政書士の野嶌孝文(のじまたかふみ)です。

 

1 相続分とはなにか

 相続分とは、各相続人が相続財産を承継する割合です。相続分は、次の3つの意味で使われます。

①相続分率
 相続財産に対する各相続人の相続すべき分数的割合。たとえば、配偶者は「2分の1の相続分がある」といった場合です。

②相続分額
 相続分率にしたがって、計算した財産額。たとえば、配偶者は「2,000万円の相続分がある」といった場合です。

③相続分権
 遺産分割前の共同相続人の地位または包括的持分。たとえば、配偶者が「相続分を譲渡した」といった場合です。

 

2 相続分の決定

(1) 相続分決定の順序

 相続分は、まず①遺言による被相続人の意思によって定められ(指定相続分)、相続分の指定がない場合には、②法律の規定によって定まります(法定相続分)。

 

(2)法定相続分

①子及び配偶者が相続人であるときは、子の相続分及び配偶者の相続分は、各2分の1となります。

 

②配偶者及び直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2となり、直系尊属の相続分は3分の1となります。

 

③配偶者及び兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は4分の3となり、兄弟姉妹の相続分は4分の1となります。

 

④上記①、②、③の場合において、子、直系尊属又は兄弟姉妹が複数人いるときは、各自の相続分は等しいものとします。ただし、父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹(半血の兄弟姉妹)の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。

<参考>

 従前は、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1とされていました(旧民900条4号ただし書)。しかしこの規定は、法の下の平等を定める憲法14条1項に違反しているとされ(最判平25.9.4)、その後、民法の一部を改正する法律が成立し、非嫡出子の相続分は嫡出子の相続分と同等となりました。

 

⑤代襲相続人となる直系卑属(相続人となる「子」がすでに亡くなっている場合の孫など)の相続分は、その直系尊属が受けるべきであったものと同じです。ただし、直系卑属が複数人いるときは、その各自の直系尊属が受けるべきであった部分について、上記④に従ってその相続分を定めます。

 

(3) 指定相続分

 被相続人は、「遺言で」、共同相続人の相続分を定め、又はこれを定めることを第三者に委託することができます。ただし、被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができません。

<注意!>遺留分を侵害する相続分の指定は「無効」ではなく、減殺請求の対象となるにすぎません

なお、被相続人が、共同相続人のうちの特定の人の相続分のみを定めたような場合は、他の共同相続人の相続分は、法定相続分の規定によって定めます。
 指定相続分の相続による不動産の取得については、登記なくして第三者に対抗することができます。

 

<参考>

 遺言により法定相続分を下回る相続分を指定された相続人が、相続財産である不動産について、その法定相続分の割合による相続登記をした場合、その持分を譲り受けた者は、登記を信頼していたとしても、指定相続分による持分を取得するにとどまる(最判平5.7.19)とされています。

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