こんにちは。八王子市の行政書士 野嶌孝文
(のじまたかふみ)です。
未成年の子どもがいる場合の離婚では、
「子どもをどちらが引き取るのか?」
でもめる原因になります。
父母が協議上の離婚をする場合は、
その協議で子どもの「親権者」を定めること
になります(民法819条1項)。
離婚届には未成年の子の親権者を記載する欄
があり、父か母かを定めなければ離婚は成立
しません。
ところで、そもそも「親権」とは何でしょうか?
◯身上監護権 ・・・・・ 子どもの身の回りの世話、しつけ、教育を受けさせる
◯財産管理権 ・・・・・ 子どもが自分名義の財産を持っているとき、あるいは、法律行為をする必要があるときに、子どもに代わって管理する
上記をまとめて、「親権」といいます。
父母が婚姻関係にある間は、子どもの親権は
父母二人にありますが、離婚後は父母の
いずれかが親権者となり、離婚後も父母が
共同して親権を行使することはできません。
離婚届には「親権者」を記入する欄があり、
親権者を決めなければ離婚は成立しないの
です。
話し合いで親権者が決まらず、
調停へと進んでしまうケースもあります。
※親権が問題になるのは、子どもが未成年
の場合だけです。すでに成人に達していれば
親権者の指定は必要ありません。
「親権」の中には、先に述べた身上監護権が
含まれていますが、民法では、親権者とは
別に「監護者(監護権者)」を定めることを
認めています。(民法766条)
監護者が定められる例はあまり多くありま
せんが、たとえば、
「父が親権者と決まったものの、父親は海外
への出張が多くて子どもの世話や教育がほと
んどできない。」
「親権者は父親だが、子どもが乳幼児である
ため母親が養育したほうが子どもの世話をす
る上で都合がいい。」
「話し合いで親権者が決まらず、そのままの
状態では子どもの成長に悪影響がある。」
といったような場合には、例外的に父親=親権者、
母親=監護権者(もちろん逆もあり)と定める
ことができます。
なお、「親権者」は父親でも実際に子どもを
引き取って養育する「監護者」は母親という
ようなケースは注意が必要です。
「監護者」は離婚届に記載する必要がなく、
後になって父親が「子どもを引き渡せ!」
と言ってくる場合があります。
このような場合に備えて、
自分が「監護者」であることを証明する書類
を作成しておくとよいでしょう。
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