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2016.1.2婚姻の成立について

こんにちは。八王子市の行政書士 野嶌孝文(のじまたかふみ)です。

 

2016年1月2日、今日は婚姻の成立について勉強します。

 

  Ⅰ 婚姻が成立するための条件

 婚姻が成立するための要件としては、「実質的要件」と「形式的要件」があります。実質的要件は、①婚姻意思の合致と、②婚姻障害(婚姻できない法律上の理由)がないことであり、形式的要件は婚姻の届出をすることです。以下、詳しく見ていきます。

 

Ⅱ 実質的要件

1 婚姻意思の合致

 婚姻意思とは、社会通念上、婚姻とみられる生活共同体を創設しようとする意思をいいます。簡単に言うと「結婚してしっかりとした家庭を築こう」とする意思のことです。つまり、婚姻の届出をすること自体についてお互いに合意があっても、偽装結婚のような場合には婚姻は成立しないという事です。
 なお、婚姻届出書作成の時点で婚姻意思があっても、それが受理される前に考えが変わったような場合には、婚姻意思がないものとして婚姻は成立しません。また、「婚姻の予約」は契約として適法・有効であり、正当な理由もないのに婚姻予約に違反した者は、相手方に対し損害を賠償する責任があるとされています。しかし、その場合でも婚姻そのものを強制することはできません。お互いの意思を尊重するという事です。

 

2 婚姻障害(婚姻できない法律上の理由)がないこと

(1)婚姻適齢にあること
 婚姻適齢は、男は18歳、女は16歳です。

 

(2)重婚でないこと

 配偶者のある者は、重ねて婚姻することができません。重婚とは法律上の婚姻が重複するものであり、そのような婚姻届は通常受理されませんので、①戸籍取扱上の過誤によるとか、②離婚後再婚したが離婚が無効であった場合とか、③失踪宣告を受けた者の配偶者が再婚後失踪宣告が取り消された場合など、まれにしか生じません。

 

(3)再婚禁止期間内でないこと

 女性は、前婚の解消又は取消しの日から6か月を経過した後でなければ、再婚することができません。女性が懐胎(妊娠)した場合、父親が分からなってしまう事態を避けるためです。そして、「現在は懐胎していない」という医師の診断書を提出したとしても6か月内の婚姻届は受理されません。ただし、次の場合にはこの期間内でも再婚することができます。

①女性が前婚の解消又は取消しの前から懐胎していて出産をした場合、その出産の日から再婚できます。

②前婚の夫と再婚する場合

③夫の生死が3年以上不明であることによって前婚について離婚の裁判があった場合

 

(4)近親婚でないこと

①直系血族及び3親等の傍系血族
 自然血族、法定血族を問わず、直系血族及び3親等の傍系血族の婚姻はできません。ただし、養子と養方の傍系血族との婚姻は認められます。

近親婚の図

ア)AF間で婚姻すること → 不可

イ)AG間で婚姻すること → 可

ウ)AH間で婚姻すること → 可

エ)Hが離縁した後に、HB間で婚姻すること → 不可

 

②直系姻族

 直系姻族の間では婚姻することができません。姻族関係が終了した後でも同様です。

近親婚の図その2

ア)D死亡後に、AF間で再婚すること → 不可

イ)D死亡後に、AE間で再婚すること → 不可

ウ)D死亡後に、AH間で再婚するこ と → 可(AH間は傍系姻族)

 

③養親子

「養子、その配偶者、養子の直系卑属又はその配偶者」と「養親又はその直系尊属」の間では、離縁によって親族関係が終了した後でも婚姻することができません。

 

(5)未成年者の婚姻は父母の同意があること
 未成年の子が婚姻するには、父母の同意を得なければなりません。親権を喪失した父母であっても婚姻の同意権を有します。父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意で婚姻できます。父母の一方が、行方の分からないとき、死亡したとき、またはその意思を表示できないときも、他の一方の同意で婚姻できます。
 父母の双方がいない場合には、何の同意も必要ありません。

 

Ⅲ 式的要件

 婚姻は、戸籍法の定めるところにより届出をすることによって有効となります。つまり、婚姻届を役所に提出するという事です。婚姻の届出は、婚姻をする二人と成年の証人(二人以上)により書面に署名して行わなければなりませんが、口頭ですることも法的に許されています。

 

 

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