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2016.2.18相続回復請求制度について

こんにちは。八王子市の行政書士 野嶌孝文(のじまたかふみ)です。

今日の八王子は天気がよくよい一日になりそうです。

さて、今日からいよいよ相続について勉強していきます。

 

1 相続の開始

 相続は、死亡によって開始します(民法882条)。死亡には、失踪宣告によって死亡が擬制された場合も含まれます(民法31条)。

※失踪宣告 とは、ある人が一定期間生死が不明 となっている場合、家庭裁判所に失踪 宣告の審判を 申立て、審判で認容されたときに死亡したものとみな して、財産関係や 身分関係につき死亡の効果を発生 せる制度です。

 

2 相続回復請求権

(1)相続回復請求とはなにか

 民法が定める相続回復請求の制度は、真実の相続人でない者(表見相続人)が真実の相続人(真正相続人)の相続権を否定し相続の目的たる権利を侵害している場合に、表見相続人に対し侵害の排除を請求することにより、真正相続人に相続権を回復させようとするものです。この相続権を侵害された真正相続人が相続財産の回復をすることのできる権利を相続回復請求権といいます。

 

(2)相続回復請求権の行使

 相続回復請求権の行使は、必ずしも裁判上行使することを要せず、裁判外で行使することもできます。請求の内容は、相続権を確認し、相続財産の返還を請求することですが、請求の仕方は特定財産についてすることも、相続財産全部に対して包括的にすることもできます。個々の財産に対する取り戻しを請求する場合でも、「自己に相続権があること」を主張して請求するのは、相続回復請求となるとされています。

 

(3)行使期間

 相続回復請求権は、相続人又はその法定代理人が、相続権の侵害の事実を「知った時から5年」で時効消滅します(民法884条前段)。「相続権の侵害の事実を知る」とは、自分が真正相続人であるにもかかわらず、相続から除外されていることを知ったことであるとされています(判例)。また、相続開始の時から「20年」を経過したときも消滅します(民法884条後段)。この20年の期間について判例は、時効であるとしながら、期間の進行は、相続権侵害の有無にかかわらず、相続開始の時から進行するとしています。
 民法が相続回復請求権について消滅時効を定めた趣旨は、表見相続人が外見上相続により相続財産を取得したような事実状態が生じたのち、相当年月を経てからこの事実状態を覆滅して、真正相続人に相続権を回復させることにより、当事者又は第三者の権利義務関係に混乱を生じさせることのないよう、相続権の帰属及びこれに伴う法律関係を早期にかつ終局的に確定させようとしたものです。

 

《共同相続人間の相続争いに対する相続回復請求権の肯否》

 昭和53.12.20の最高裁の判例では、「共同相続人のうちの1人又は数人が、相続財産のうち自己の本来の相続持分を超える部分について、当該部分の真正共同相続人の相続権を否定し、その部分もまた自己の持分であると主張してこれを占有管理し、真正共同相続人の相続権を侵害している場合、その者が自ら相続人でないことを知っているか又は相続権があると信ぜられるべき合理的な事由がない場合には、その者は相続回復請求制度の対象とされる者ではなく、消滅時効を援用することはできない」とし、共同相続人間の相続争いに対しては相続回復請求の制度は適用されないとされます。

 

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