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2016.4.26遺言の執行について

こんにちは。相続相談出張センター 行政書士の野嶌(のじま)です。

今日の八王子は穏やかな天気でした。

さて、今日は「遺言の執行」について考えます。

 

1 遺言の執行とはなにか

 遺言の執行とは、遺言の内容を実現することです。

 

2 遺言書の検認および開封

(1)検認
 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しなければなりません。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様です。ただし、公正証書遺言は検認は不要です。

 検認は、遺言の執行前において、遺言の方式に関する一切の事実を調査して遺言書の状態を確定し、その現状を明確にする一種の形式的な検証手続ないし証拠保全手続であって、遺言書の実体上の効果を判断するものではないとされています。また、検認手続を経ないからといって、遺言書の効力には何の影響もないと判例で示されています。
 ①遺言認知、②相続人の廃除・廃除の取消し、③遺贈の場面等で遺言執行が必要となります。

 

(2)開封
 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会いがなければ、これを開封することができません。

 

3 遺言執行者

(1)遺言執行者の就任

①遺言による指定
 遺言者は、遺言で、1人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができます(民法1006条1項)。これによって、指定を受けた者が就任を承諾するとその者が遺言執行者となります。

 

②庭裁判所による選任
 遺言執行者がないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができます(民法1010条)。

 

(2)欠格事由

「未成年者」及び「破産者」は、遺言執行者となることができません(民法1009条)。なお、法人は遺言執行者になることができます。

 

(3)遺言執行者の地位

 遺言執行者は、相続人の代理人とみなされます(民法1015条)。遺言執行者の任務は実質的には遺言者(被相続人)のためのものですが、遺言者は既に死亡しているので、その代理人とすることはできず、遺言者の包括承継人たる相続人の代理人とする構成を民法はとります。

 

(4)権限

 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をる権利義務を有します(民法1012条1項)。したがって、遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができません(民法1013条)。「遺言執行者がある場合」とは、遺言執行者として指定された者が就職を承諾する前をも含むとするのが判例です。

 

(5)復任権

 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。ただし、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない(民法1016条1項)。

 

(6)共同遺言執行者

 遺言執行者が数人いる場合の任務の執行方法

①原則

 遺言執行者の過半数で決する(民法1017条1項本文)。

②例外

 ⅰ 遺言者が遺言で別段の意思を表示したきは、その意思に従う(民1017条1項ただし書)。

 ⅱ 保存行為は、各遺言執行者が行うことができる(民1017条2項)。

 

(7)解任及び辞任

①解任

 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる(民法1019条1項)。

②辞任
 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる(民法1019条2項)。

 

今日はここまで!

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